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JPホーム(高松建設)のウィンブル建築記録


by itemaetaro
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【雑誌記事】 注文住宅に潜むリスク。

まずは雑誌記事から。
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特集 ゼネコン 不動産 崖っ縁決算
~ 注文住宅に潜むリスク ~

 ハウスメーカーの破綻で建築代金を払ったが家も建たずカネも戻らないという被害が続出している。建築専門家の監修を得て、注文住宅購入の際に知っておくべきリスクと防衛策をまとめた。




 「明日上棟式だというときに、破産の一報を聞いた。翌日から大工さんも来なくなり、建築現場はそのまま。工事代金の半額はすでに支払っているのに、いったいこれからどうなるのか……」
 一月破産した静岡県の中堅ハウスメーカー、富士ハウスの契約者からこんな叫び声が上がっている。同様の被害者はじつに二二〇〇人。スポンサーや被害者対策弁護団の手で、被害者救済が始まってはいるが、道筋は険しい。

 富士ハウスの破綻は、これまであまり注目されなかった“注文住宅リスク”を浮き彫りにした。というのも、前払い金を契約時に支払いながら、肝心の建物が引き渡されない異常事態に対し、購入者側を保護する法律はじつはない。注文住宅を買うという行為は、宅地建物取引業法の適用ではなく、当事者同士の取り決めである建築請負契約に基づくものだからだ。

 マンションや建売住宅を買うケースと比べてみればわかりやすい。この場合、売主である不動産会社などと買い主である個人は売買契約を結ぶ。それによって個人はある程度、宅建法で保護される。たとえば、手付金放棄で買い主が契約を解除できたり、一定額以上の手付金には保全措置が講じられ、仮に売主が破綻しても取り返せる。

 ところが注文住宅を建てる場合は、個人が建築主となって工務店やゼネコン、ハウスメーカーなどとのあいだで建築請負契約書を交わすことになる。支払い条件や建築中の諸条件、さらに建築中の顧客の権利など、建築と支払いに対してのすべては、個々に結ばれた契約書次第だ。法律で保護されているわけではない。
 住宅を買うという一見同じ行為が、建築請負契約か売買契約かで、その後のリスクや注意点、およびその回避の方法などがまったく異なってくる。

契約内容を理解せよ 納得するまでハンコ押すな
 「請負契約書」は建物の完成を約束する重要なもの。契約前に契約書とそれに添付される請負契約約款の読み込み、設計図書、工程表の内容確認が必要である。ところが契約書は、建築請負側の工務店やハウスメーカーが用意することが大半。そのなかには「建築途中の現場に施主は許可なく立ち入れない」など、業者側の所有権を強く主張する条項や、富士ハウスのように法外な額の前払い金を支払わせるなど、購入者に著しく不利な条件が書かれているものもある。

 困ったことに、請負契約書は、売買契約書のような資格者による説明が義務づけられていない。営業マンがぱらぱらめくって見せて終わりといったケースも多い。だが、担当者にいやがられようが必ず契約書と契約約款は事前に入手し、疑問点がすべて解消できなければ契約しない覚悟で臨むこと。ちなみに、業界団体が標準的な民間工事の請負契約の定型である「民間連合協定工事請負約款」をまとめている。一般書店で解説書を販売しているので、自分の契約書と照らし合わせてみるとよい。

出来高払いが基本姿勢 性急な支払い要請は拒否を
 加えて注意したいのが代金の支払い形態だ。富士ハウスも、同時期に破産した埼玉県のアーバンエステートも、破綻直前には全体の建築総額の七〇%もの代金を工事着手時に要求していた。

 建設業者の万一の事態に備えて取るべき最大の自衛策は、建築代金を出来高払いとすることだ。目安としては、契約時一〇%、着工時三〇%、上棟時三〇%、完成時三〇%程度。あまりに露骨な前払いを要求する会社は、十中八、九資金繰りに窮していると見てよい。

 営業マンは「多めに支払いをすると割り引く」「キャンペーン期間で○日までに支払うと安くなる」など殺し文句で迫ってくることがある。会社ぐるみで契約を急がせて、現金を多めに入れさせようとしているならば、よくよく注意したほうがいい。

 これ以外の自衛策として、住宅完成保証制度を利用する手もある。これは、建築請負業者が任意で加入する保険で、万一その会社が倒産したときも、他社が工事を引き継ぐための資金が一部カバーされる仕組みだ。ただ、業者にとっては事前の登録と、住宅一軒ごとの保険加入が必要だ。業者がこの保険に登録しているかどうか確認してみよう。

現行法での救済は限界も 最悪の事態回避に準備必要
 それでも不幸にして、建築請負業者が建築途中で破綻した場合、どうすればいいのか。

 まず確認すべきは、破綻の形態だ。民事再生法や会社更生法の適用を申請したのなら会社と事業は当面は存続する。ところが、破産宣告がなされたような、会社がなくなる破綻の場合は、会社の財産はすべて裁判所が選定した破産管財人の管理下に置かれる。この財産とは、工事代金はもちろん、建築中の建物や現場の工事資材もすべて含まれる。とにかく早急に債権者であることを管財人に届け出て対処を待つしかない。ちなみに破産の場合、債権の回収はかなり難しく、多くとも一〇~二〇%程度という。

 さらに建築途中の場合で厄介なのは、いったん破綻会社との建築請負契約を解除し、そこまでに発生した工事代金を清算しないと、次の業者に工事続行を依頼することができない点だ。売買契約ならば、手付金を放棄すれば契約を解除できるが、宅建法の範疇外の建築請負契約では解除はできない。いかに自衛策を施すことが重要か、おわかりいただけるだろう。

 引き渡しが完了していたとしても安心するのはまだ早い。将来的に建物になんらかの瑕疵が出る可能性もあるからだ。今年の一〇月一日以降に引き渡される新築住宅は、引き渡し後一〇年間に発生する主要構造部分の瑕疵や雨漏りは、売主や施工業者が倒産しても、保険または供託金により補修費用が受け取れる。

 ただ、これとて、建築業者が供託金を納付する前や、引き渡し前に倒産した場合は適用されない。さらに、個人の大工など、請負代金が一五〇〇万円未満の工事などを請け負う建設業登録していない事業者は、この瑕疵担保履行法の義務適用外だ。

 住宅業界の環境が悪化の一途をたどるなか、業者の淘汰は進むだろう。人生最大の買い物を託す以上は、リスクをしっかり踏まえ、万全の体制で契約に臨もう。
監修・一級建築士事務所イエローベスト
【雑誌記事】 注文住宅に潜むリスク。_f0067815_12343073.jpg

週刊ダイヤモンド6月6日号より)
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マイホームは(たぶん)一生に一度の大きな買い物です。 注文住宅は、数棟纏めて建てる建売住宅に比べて割高、オプション工事や仕様変更等で最後まで予算超過する可能性があるなど、色々デメリットも多いのですが、このように建築請負側の工務店やハウスメーカーが倒産するリスクも当然考えなければなりません。

そして同じ特集の中に「経営危険度 上場建設191社ランキング」が掲載されていたのですが、その中にまさか!の衝撃の内容が…。 (つづく
by itemaetaro | 2009-07-12 22:28 | └家/その他雑件